疲れにくいデスクチェアの選び方とコイズミのおすすめ特集
はじめに
働き方が大きく変わり「在宅勤務」「テレワーク」と言った言葉も、もはや当たり前のことになってきました。国の政策でも働き改革のひとつとしてテレワークは推進され、企業でも積極的に取り入れる方向で動いています。
時間や場所にとらわれず柔軟性を持って働ける一方で、デメリットもゼロではありません。コミュニケーション不足や時間管理の難しさなどだけでなく、心やからだにかかるストレスが増えたという声も聞かれます。実際に仕事専用の部屋がなく、ワークスペースの確保に苦戦している方も多いのではないでしょうか。
実はここで重要になってくるのが「デスクチェア」。疲れないデスクチェアを使い、快適に仕事に取り組めるワークスペースを実現しませんか?
もくじ
なぜデスクチェアにこだわると良いのか?
テレワークで取り組む業務はデスクワークがほとんどでしょう。長時間同じ姿勢で座ったままパソコンに向かう作業は、オフィスでも自宅でもからだへの負担が大きくなります。肩こりや頭痛、目の疲れなど、日々疲れが蓄積し、思わぬ体調不良を招く原因に。からだの疲れをできるだけ少なくし、効率よく作業に取り組める環境を整えましょう。
近年、腰痛に悩む人が増えている
テレワークかどうかに関わらず、デスクワークは長時間同じ姿勢での作業が続きます。自宅での仕事はからだを動かさない、仕事に適したデスクやチェアを使っていないといった条件が重なり、より負担が大きくなる傾向があります。
オムロン ヘルスケア株式会社によるアンケートでは、30%以上の人がテレワークで不調を感じると答えました。なかでも精神的なストレスと同じくらい、肩こりや腰痛などからだの不調を訴える声が聞かれます。ワークスペースを確保できず、床座でパソコン作業している方も約3割おり、姿勢の悪化が懸念されます。
椅子を利用していても、寛ぐために設計されたものや、からだに合わないデザイン・サイズでは仕事に集中できないでしょう。逆に言えば、椅子にこだわることで働く環境をよりよくすることができます。
出典:【テレワークとなった働き世代1,000人へ緊急アンケート】 新型コロナウイルスによる、働き方・暮らしの変化により 「肩こり」「精神的ストレス」などの身体的不調を実感|オムロン ヘルスケア
姿勢を保つことでからだへの負荷が減る
座ったままの作業でからだの負担を減らすには、どうすればよいのでしょうか?一番大切なのは、正しい姿勢を保つことです。自宅での仕事は同僚の目がないこともあり、つい姿勢が崩れがちです。背もたれにもたれかかり、お尻が前滑りした姿勢になっているケース、ノートパソコンの小さな画面をのぞき込む姿勢で背中が丸まっている場合や床座で足を横座りしている方も。
このように不自然な姿勢は、からだに大きな負荷がかかります。骨盤を立て、パソコン画面をフラットな視線で見られる状態が理想的な姿勢と言われています。正しい姿勢でからだの疲れを軽減し、作業効率をアップさせましょう。
仕事や勉強などの作業効率の向上が期待できる
テレワークはオフィスでの仕事と比べて、集中しにくい環境であることがほとんどです。からだの疲れが蓄積され、肩や腰などに痛みを感じるとさらに気がとぎれてしまいます。もちろん日常的にウォーキングやストレッチでからだをほぐすといった適度な運動を生活に取り入れることも大切です。
加えて正しい姿勢を保つことができれば、より疲れにくくなり集中力が上がるでしょう。作業効率もアップし仕事がはかどれば、モチベーションも維持できます。
生産性の高い仕事に向き合えるように、集中して取り組めるデスクチェアをテレワークに導入してみましょう。では「疲れにくいチェア」には、どのような特徴があるのでしょうか?
疲れにくいデスクチェアの特徴
疲れにくいデスクチェアと言っても、具体的にどのようなものを指すでしょうか。ポイントは、座り心地・からだにフィットする形状・サイズに調整できるかどうかにあります。長時間座る仕事でも疲れにくく、正しい姿勢でからだへのストレスを軽くするチェアについて、具体的に考えてみましょう。
長時間座っても疲れにくい
からだに合うデスクチェアは、長時間座っていても疲れにくくなります。座面はある程度のやわらかさがあり、背もたれが自然にからだに添うようなものがおすすめです。
背中は本来S字カーブを描いていますが、お尻を前滑りさせて背もたれに寄りかかるとC字カーブになってしまいます。また床座やパソコンの画面が目線より低いときは前のめりの姿勢で猫背に。いずれも首・肩・首に大きな負担がかかり痛みを引き起こす原因となります。
個々の仕事内容や体型により、フィットする形は変わります。できるだけ自分のワークスタイルやからだにあうものを選びましょう。
正しい姿勢をキープできる
疲れにくい状態を維持するには、正しい姿勢を保つことが重要です。腰痛を防ぐには、骨盤を立て、自然なかたちで背筋を伸ばしてキープできるようにします。
また目線の高さもポイント。中には手書きのノートや書類を利用する方もいますが、ほとんどの方が主にパソコンを使用した業務をしていると思います。からだへの負担を軽くするためには、パソコンモニター画面は水平視線より少し下にして、背中から首、頭がすっとまっすぐ立った状態にします。
椅子だけではなく、パソコン画面の高さ調整やノートパソコンなら別途外付けキーボードを用意するなど、デスク周り全体の整備も必要です。
自分の体格、体型に合わせて調節ができる
正しい姿勢をキープするために、自分のからだにあわせてチェア自体の調整ができることも大切なポイント。デスクの高さやパソコン画面とのバランスを考えて、座面の高さを変えられるものはとても便利です。ひざや股関節が直角になるように深く座り、骨盤を立てるとよい姿勢を維持しやすくなります。
また常に緊張状態でいることもからだへの負担の要因のひとつになります。適度にリラックスできるよう、背もたれも角度の調整ができ、やわらかくしなるものを選ぶとよいでしょう。
では続いて長時間の業務でも快適に過ごすために重要な、自分にあったデスクチェアを実際に選ぶときにはどんな点をチェックすればよいか、素材や形状などの要素を踏まえて探してみましょう。
疲れにくいデスクチェアを選ぶときの3つのポイント
デスクチェアは様々な機能が考えられて設計されています。寛ぐためのチェアではないため、からだへの負担をできる限り軽減し、疲れにくい姿勢をキープするためのデスクチェアを探しましょう。ポイントは、素材、形状、機能の3つ。業務内容や体型、好みによって決め手になる点はかわりますが、それぞれの特徴をつかんでおきましょう。
自分にあったデスクチェアの素材を選ぶ
デスクチェアを選ぶとき、まずは生地や座面を確認してください。直接肌に触れる生地や素材は、思っている以上に感覚に反応します。もっともからだに触れる時間の長い座面は、そのクッション性もポイントです。また素材によっては耐摩耗性が低く、傷みやすいものもあります。座面生地の種類のメリットとデメリットをそれぞれみてみましょう。
座面の生地 |
メリット |
デメリット |
ファブリック |
一番よく使われている素材 カラー展開が豊富 |
メッシュ程の通気性がない 水や汚れに弱い |
レザー |
高級感がある 耐久性がある |
通気性がない |
メッシュ |
通気性があるため季節を選ばない 身体へのフィット感がある |
隙間に埃がたまりやすい |
テレワークでは、インテリアになじむかどうかも決め手になります。カラーバリエーションが豊富なファブリックは、部屋の雰囲気に合わせて選ぶ幅が広がり、レザーは高級感のある空間を演出できます。メッシュタイプは、機能性重視のデザインですがデスクワークを快適にしてくれる 助けとなります。
一方、座面の素材はどのようになっているのでしょうか。
座面の中の素材 |
メリット |
デメリット |
チップウレタン |
低価格で多くのデスクチェアに使われている |
長時間の作業だと型崩れしやすい |
モールドウレタン |
クッション性が高く耐久性もある 長時間の作業にも適した素材 |
ウレタン素材の中でも少し固め |
主な座面の素材は上の表にまとめた通り2種類あります。座面はチェアの中でも大きな負荷がかかる部分でもあり、姿勢を支えてくれる重要なパーツです。購入時には感触がよくても使っている内に座面の中の素材がへたり、ずれてしまうこともあります。しっかりと集中して仕事に取り組むためにも、耐久性と座ったときのフィット感を確認して選びましょう。
自分にあったデスクチェアの形状からで選ぶ
デスクチェアは疲れにくいようにからだをサポートし、仕事に集中できる形状であると同時に、リラックスもできるようなかたちになっていることが理想です。からだを支えるパーツとして重要なのは、やはり背もたれ部分でしょう。背もたれの種類は高さごとに分けられています。
|
メリット |
デメリット |
ローバック |
コンパクトに置ける |
姿勢の維持が少し難しい |
ミドルバック |
一般的なチェアのサイズ |
背中や頭まではサポートできない |
ハイバック |
長時間の作業でも疲れにくい |
サイズが大きく場所の確保が必要 |
このように背もたれが高いほど、正しい姿勢を補助し、疲れにくいと考えられます。しかしその分大きくなってしまうため、部屋に圧迫感が生まれてしまいます。リビングスペースの一部を利用しているといったスペースに限りがある場合は、設置できない可能性も。部屋全体のバランスを調整しながら、自分にあうチェアを見つけてください。
デスクチェアの機能を見て選ぶ
デスクチェアが快適さをもたらすかどうかは、自分に合わせて調節できる機能があるかどうかにも関わります。仕事や学習用に設計されたチェアは、さまざまな機能がついており、より快適に集中して作業できる工夫がなされています。
ロッキング機能
デスクチェアの背もたれは、主に次の3つのタイプがあります。
- 背もたれロッキング
背もたれのみが後ろへ可動。最も一般的。 - 背もたれ・座面ロッキング
背もたれと座面が同じ角度で可動。背もたれと座面がつながっているチェアに多い。 - シンクロロッキング
背もたれが傾くと座面も連動して自然な角度に傾くという機能。からだへの負担が少ない。
背筋を伸ばした状態でも、背もたれにからだを預けて休んでも、からだにとってよい姿勢を維持することができる「シンクロロッキング」タイプが、もっとも疲れににくい構造です。価格は高くなりますが、健康的に働くためにはおすすめの機能です。
アームレストの有無
アームレストとは、肘かけのことです。日本静脈経腸栄養学会によると、人間の両腕は体重の6%ほどの重量があると言われています。仮に60㎏の人であれば、両腕の重さは3.6㎏。この腕の重さが、パソコン作業時にダイレクトに肩・首への負担につながります。そこで腕やひじは机上、アームレストに置くと重さが分散されからだへの負担が軽くなります。
アームレストがあるとチェアの幅が広くなり圧迫感が生まれる点はデメリットです。しかし休息時にからだを預ける際も楽な姿勢を取ることができます。スペースにゆとりがあるならアームレスト付きのチェアにすると、より疲れにくくなりますよ。
出典:在宅栄養管理におけるフィジカルアセスメント|日本静脈経腸栄養学会
ランバーサポートの有無
背もたれの腰部分につけられたサポートクッションを「ランバーサポート」と言います。オフィスチェアや車の座席に取り付けられることが多く、疲労軽減効果が期待できます。背骨本来のS字カーブを支え、腰への負担を減らしてくれるため、疲れにくいチェアを探すのであればランバーサポートがあるものを選ぶとよいでしょう。
コイズミおすすめの疲れないデスクチェア5選
通気性の良いメッシュ素材のデスクチェア「JG4」
メッシュ素材のコンパクトなデザインのJG4シリーズには肘なしタイプと肘付タイプの2種類がから形状を選ぶことが可能です。メッシュ素材なので通気性があり、どの季節でも快適にご利用いただけます。また、カラーバリエーションも6種と豊富にあるためお部屋の雰囲気に合わせてお選びいただけます。座面の調整機能もあるためご自身の大きさに合わせて調整が可能です。また身体に馴染むシンクロロッキング機能も搭載しています。
ランバーサポートで腰痛になりにくい「JG5」
JG5シリーズはミドルバックのメッシュ素材のデスクチェアで、腰や背中を支えるランバーサポートパッドが搭載されています。ランバーサポートパッドは上下前後の調節が可能なため自分の体型に合わせて調整してご利用いただけます。また、JG4と同様にシンクロロッキング機能があるため身体の自然な動きに合わせて背もたれと座面が動きからだへの負担を軽減させます。
頭部までしっかりサポートできるデスクチェア「JG6」
JG6シリーズはハイバックタイプのチェアなので頭部までしっかりと支えることのできるデスクチェアです。ランバーサポートも搭載しており上下の調整が可能です。ランバーサポートを上下させることで腰あたりの強弱も変えることができます。背面には上着やブランケットが掛けられるハンガー機能もあります。全JGシリーズに共通ですが、シンクロロッキング機能を搭載しているため身体の自然な動きに合わせて座面と背もたれが動くような身体への負担に配慮したデスクチェアです。
レザー素材で座り心地が良い「Spinear(スピネア)コーディネートチェア」
背もたれのシャープな曲線が身体にフィットするコンパクトな回転チェアです。レザー素材で2色、布地素材で2色の展開がありお部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。また、コンパクトな設計のデスクチェアのためスペースが限られたスペースでも使用していただけるところも魅力です。
限られたスペースにコンパクトに置ける「la fanコーディネート回転チェア」
丸い曲線が柔らかい雰囲気を演出するラファンシリーズは、淡い色味が特徴的なコンパクトなデスクチェアです。シンプルなデザインのため場所を取らずに限られたスペースにもすっきり配置することが可能です。背もたれの優しい曲線が身体にフィットするミドルバックタイプのデスクチェアです。
カラー展開は4色で優しい雰囲気のお部屋におすすめです。
デスクチェアとあわせて購入すると良いもの
デスクチェアには、快適な仕事環境を実現させるための機能がいろいろ備わっています。しかし、ワークスタイルや体型・体格には個人差があり、すべての方に100%ぴったりと言うわけにはいきません。
快適さが少し足りないなと感じるときは、プラスのアイテムを検討してみてください。ほんの少しサポートアイテムを加えるだけで、ぐっと過ごしやすくなりますよ。
クッション
腰・背中をサポートするために背もたれとの間にクッションをはさむと、からだが安定します。背中のS字カーブに沿う形状のものを選びましょう。また座面に骨盤をたててくれるようなクッションを置くと、正しい姿勢を楽に保てるようになります。背もたれと座面の一体型タイプもあるため、使用しているチェアや体型に合わせて選んでください。
フットレスト
フットレストと言うと、ソファや一人掛けリラックスチェアで使われるオットマンを想像する方もいるかもしれません。もちろん仕事の休息時間にリラックスするために、そういった足を置く台を活用するのもよいでしょう。しかし業務に集中し、疲れにくくするためのフットレストはそれとは少し異なります。
デスク高さやパソコン画面とのかねあいからチェアの座面を少し高めにすると、足が床から離れてしまうことがあります。不自然な姿勢は疲れにつながるため、そんな時は足の裏全体を床に無理なく置けるような台を設置してください。
チェアマット
チェアマットは、椅子の下に敷いて床の傷や加重によるへこみを防ぐために敷くマットのことです。からだへの負荷を軽減させるものではありませんが、チェアマットもぜひ活用しましょう。自宅でキャスターがついているデスクチェアを利用する際、床に傷がつきやすくなります。中には和室にデスクを置いている方もいるかもしれません。フローリングに傷をつけにくいキャスターもありますが、チェアマットを併用することでよりその効果が増します。
長時間でも疲れず、集中するために…。
なるべく正しい姿勢を維持する
デスクチェアの機能は、正しい姿勢をサポートしてくれますが、そもそも良い姿勢を作らなければ意味がありません。疲れにくく、健康的な正しい姿勢をまとめました。特にデスクワークでからだに違和感がある方は、すぐにでも実践してみてください。
- 膝や腰は90度の位置に置きましょう。
- 足の裏全体が床についている状態にしてください。
- 椅子から足が浮いてしまう場合は、クッションなどで高さを調節します。
- 頭をまっすぐに。顎をひいて首の上に乗せます。
背筋を伸ばそうと意識しすぎるとかえって腰が反ってしまうことがあります。骨盤をしっかりと立てて、おへその少ししたあたりに力を入れてみましょう。自然に背筋が伸びて、からだへの負担が軽くなります。
適度に休憩とストレッチを行う
デスクチェアがからだに合っていても、同じ姿勢を続けるとやはりからだに負担はかかります。適度に休みをとり、ストレッチなどでからだを動かしましょう。トイレ休憩のついでに屈伸をしたり、首をゆっくり回す、背伸びをするなど簡単なブレイクタイムをとることで、すっきりリフレッシュ。作業効率や集中力があがって、気持ちよく仕事に取り組めます。
まとめ
テレワークも定着し、一時的なものではなくなってきた自宅での仕事。からだにストレスを感じて集中できないこともあるでしょう。もちろんコミュニケーションの取りにくさや、集中しにくい環境など要因はさまざまです。
なかでも首・肩・腰などに痛みが出てくることが、快適さを妨げる原因になっていることが多くあります。正しい姿勢を保ち、疲れにくいデスクチェアを適切に使用することで、作業効率も上がります。
ぜひからだに合うチェアを見つけて、より快適なワークスペースを整えてください。